ハイチェアがオフィスにも普及してきました。天板高 100cm 前後のハイタイプのデスクや作業テーブル・カウンターで使うことが一般的です。
ただし、ハイチェアというのは、国内メーカー独特の呼称のようです。日本でも人気のアメリカの有名メーカー各社では、ハイスツール( high stool )または単にスツールと呼んでいます。本来、スツールは“a single seat without back or armrests” (背もたれや肘掛けのない一人用座席)のことですから、背もたれ・肘掛け付きがむしろ主流となっているオフィス用のハイスツールは、ハイチェアと呼ぶほうが妥当なのですが。しかし、アメリカに限らず英語圏の国では、high chair と言えば乳幼児用のダイニングチェアのことを指すため、この呼び方をしないようです。
なお、Herman Miller、Steelcase、Allsteel などのハイスツールの座面高は、調節範囲がおおむね 58~84cm です。一方、国内メーカーの標準的なハイチェアでは、座面高が 57~77cm または 62~77cm です。日本人の体型に合わせて最高位置が低めに設計されています。
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頻繁に席を立つ仕事のハイチェア
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長時間にわたって椅子に座り続ける仕事ではなく、何度も席を立たなければならない仕事では、椅子から立ち上がり、また椅子に腰を下ろす動作が面倒になります。そういう仕事では、ハイチェアに座ると、フットレストから足を床に下ろすだけで素早く立つことができて合理的です。
その仕事の内容が PC作業の場合、ハイチェアの背もたれは邪魔にならないと思いますが、肘掛けはないほうがいいでしょう。また、上半身を使う作業の場合は、肘掛けもないほうが動きやすいと思われます。
このケースに最適な製品例
pirouette by オカムラ ( スイング脚タイプ )
商品名のpirouette (ピルエット)は、フランス語で片足のつま先で行うバレエの旋回のことです。華麗に舞うバレリーナのような軽やかなワークスタイルをイメージしたネーミングです。また、オカムラはこのハイチェアの形態をパーチングスツールと命名しました。パーチング(perching)とは腰高に腰掛けた半立位姿勢のことです。支柱を全方向に約10度傾斜させることができ、そのときの半立位姿勢では背骨が直立のときと同じ安定したS字カーブとなり、腰への負担が軽減されます。しかも、体重の約70%が座面に掛かり、足への負担は約30%に軽減されます。座面高の調節範囲は 57~82cm です。
・参考価格 スイング脚タイプ 42,900円 (税別) @オカムラ pirouette プライスリスト
ミーティングやプレゼンでのハイチェア
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ミーティングスタッフやプレゼンテーターがホワイトボードの前で説明するとき、聴き手の人たちがハイタイプのデスクやテーブルの前でハイチェアに座っていると、説明者とほぼ同じ目の高さで説明を聞くことができ、質問や討論・意見交換もしやすくなります。また、ホワイトボードや説明者を視界に捉えながら、卓上でメモを取ることやキーボードへの入力ができます。
ハイチェアは、長時間の会議には向きませんが、比較的に短時間でこなしていく日常的なミーティングには特に最適です。ただし、短時間といっても、時間がオーバーしてしまい、長時間座り続けなければならない場合もあり得ます。また、仕事のスタイルは人さまざまであり、ミーティング中にスマートフォン・タブレットなどで情報や画像を確認する場合もあるでしょう。従って、背もたれと肘掛けの付いたアームチェアタイプのハイチェアが適しています。
このケースに最適な製品例
Baron by オカムラ ( ハイチェア )
バロンは、イタリアの著名なインダストリアルデザイナー、ジウジアーロの2006年作品です。アームレストやフレームの流れるようなラインが美しい、気品に満ちたデザインです。ハイチェアはローバックタイプだけですが、かえってワークチェアにふさわしいバランスのとれたデザインに仕上がり、体を動かしやすそうに感じられます。先進のエルゴノミクスデザインで設計されていて、機能性・快適性・デザイン性、すべてに優れたオールラウンドのハイチェアです。座面高の調節範囲は 63~78cm です。
・参考価格 メッシュタイプ 147,100円 (税別) @オカムラ Baron プライスリスト
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